初めての友

こんばんは。今日も来て頂いてありがとうございます。



では今日も北方水滸伝第一巻「曙光の章」から、医師、安道全の言葉をご紹介します。



安道全の言
「私は師を持ったことはあるが、友を持ったことはない。友がどういうものかも、分かってない。ただ白勝のことが気になって仕方がないのだ。」



牢城内にいる名医の安道全を味方にするべく牢城に潜入した林沖。そこで出会った医師安道全は病気を治療することにしか興味のない男だった。彼を手伝うこそ泥の白勝が牢城内で細々としたことを手伝いながら、面倒もみていた。林沖も薬草作りの手伝いをする傍ら、仲間にする機会を探る。



そんなとき、つまらぬ盗みで房に入れられた白勝が病を得て重病となり、自分なら治せることを訴え、必死に林沖に助けを求める・・



心から信じることができる友。心配し、涙し、笑い、毒づき、その友のためならどれ程の力も尽くそうとする・・




友と呼べる関係性を、これ迄の人生でどなたとも築くことが出来なかった身としては、とても眩しく感じます。

夢をあきらめし者の末

皆さまこんばんは。いつもお立ち寄り頂いてありがとうございます。楽歴学史です。


今日も北方水滸伝の第一巻「曙光の章」からご紹介します。




朱貴『人は、敗れること、なにかを失うことで、変わるのだ。』


かつて共に科挙の試験を受け、共に落ちた王倫が語った世直しの思想に共鳴した朱貴は梁山湖に山塞を築き、街道の見張りや情報収集を担った。 
月日と共に世直しの志は薄れ、楽な生き方に走り、説き続ける王倫の言葉にも重みは無くなった。
王倫の世直しの原動力は科挙に落ちた恨み。夢破れ、役人になる道を絶たれた男がそれでも執着する思いに感じた虚しさなのかそれとも自分のことなのか・・

人を育て教える心得

こちらに立ち寄って頂いた皆さま、ありがとうございます。楽歴学史です。


本当に大変な大雨。被害を受けた皆さんの、一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。



今日も北方水滸伝の第一巻「曙光の章」から、前回の王進の母、王母様の言葉です。


王母の言
「私は、じっくりと教えますよ、王進。この子には、教える方がまず忍耐を持たなければなりません。」


山道で魯智深が出会ったけもののような男、鮑旭。幼い頃に両親を失い、盗みと人を殺めることでしか生き延びれなかったためか、罪を罪と思わず、悪いことだという自覚もなく、つらさも感じていない鮑旭を預かった王進は、厳しく躾、稽古をつけていく。そんな中、王母の優しさに触れて流した涙をみて、鮑旭の人間味を察した王母の想い・・


何を言っても伝わらず、分かってもらえないと嘆いたり、怒ったりすることもあるでしょう。しかし何も知らない人間に、自分と同じことを求めることの愚かさや、時間をかけてじっくりと教える難しさ、そして何より、人を育てる時の心構えが詰まっているように思えます。